マールコテン
マールコテンタテタテ
ヨコヨコ丸かいて
チョンマール子さん毛が三本
毛が三本
毛が三本あっという間に
おかみさん なんて、大きい声で歌いながら、まるまげを結った、お上さんの絵を描いてる子もいた。
毎日、自分の好きな科目から勉強してよくて、『”人の声がうるさいと、自分の勉強が出来ない”というようじゃ困る。
どんなに、周りが、うるさくても、すぐ集中できるように!』
という風に教育されるトモエの子にとっては、このマールコテンも別に気にならず、一緒に同調して歌ってる子もいたけれど、みんな自分の本に、熱中していた。
トットちゃんのは、民話の本みたいのだったけど、「おなら」をするので、お嫁にいけないお金持ちの娘が、やっと、お嫁にいけたので、うれしくなって、結婚式の晩、いつもより、もっと大きい、おならをしたので、寝ていたお婿さんが、その風で、部屋を七まわり半して、気絶する、というような話だった。
「面白そうな絵」というのは、男の人が、部屋の中を飛んでいるところだった。
(この本は、後で、みんなの引っ張りダコになった)とにかく、全校生徒が、ギュウヅメでも、電車の窓から差し込む朝の光の中で、一生懸命、本を読んでる姿は、校長先生にとって、うれしいことに違いなかった。
結局、その日は、一日中、みんな図書室で過ごすことになった。
そして、それからは、雨で外に出られないときとか、いろんなとき、この図書室は、みんなの集会所にもなった。
そして、ある日、校長先生は、いった。
「そのうち、図書室の近くに便所を作ろうな」なぜなら、みんな、ギリギリまで我慢して本を読むので、誰もが、すごい恰好で、講堂の向こうのトイレまで、走って行くからだった。
今日の午後のことだった。
放課後、家に帰ろうと支度をしてるトットちゃんのところに、大栄君が、走って来て、声をひそめて、いった。
「校長先生が、怒ってる」
「どこで?」
と、トットちゃんは聞いた。
だって、校長先生が怒るなんて、それまで知らなかったから、とっても、びっくりしたからだった。
大栄君は、大急ぎで走って来たのと、おどろいたらしいので、人の良さそうな目を、まん丸にして、それから、少し鼻をふくらませて、いった。
「校長先生の家の台所のところ」
「行こう!」
トットちゃんは、大栄君の手をつかむと、先生の家の台所のほうに向かって走り出した。
校長先生の家は、講堂の横から続いていて、お台所は、校庭の裏口に近いところにあった。
いつかトットちゃんが、トイレの汲み取り口に飛び込んだとき、すっかり、きれいに洗っていただいたのも、この、お台所からはいった、お風呂場のところだったし、お弁当のときの「海のもの」と「山のもの」の、おかずが出来るのも、この、お台所だった。
そーっと、二人が足をしのばせて、近づくと、閉まってる戸の中から、本当に、校長先生の怒ってるらしい声がした。
その声は、いった。
「どうして、あなたは、そんなに、気軽に、高橋君に、『しっぽがある』なんて、いったんですか?」
その怒ってる声に、トットちゃん達の受け持ちの女の先生の、答えるのが聞こえた。
「そんな深い意味じゃなく、私は、高橋君が目に入って、可愛いと思ったので、いっただけなんです。」
「それが、どんなに深い意味があるか、あなたには、わかってもらえないんですか。僕が、どんなに、高橋君に対しても、気を配っているか、あなたに、どうしたら、わかってもらえるんだろうか!」
トットちゃんは、今日の朝の授業のときのことを思い出した。
今朝、この受け持ちの先生は、「昔、人間には、しっぽが、あった」という話をしてくれたのだった。
これは、とても、楽しい話で、みんな、気に入った。
大人の言葉で言えば、進化論の初歩の話、ということになるのだろうけど、とにかく、とても珍しい事で、特に、先生が、「だから、今でも、みんなに、ビテイコツ、というのが、残っているんです」といったときは、トットちゃんをはじめとしてみんな、お互いに、どれが、ビテイコツか、で、教室は、大騒ぎになった。
そして、その話の最後のとき、その先生が、冗談に、「まだ、しっぽの残ってる人も、いるかな?高橋君は、あるんじゃないの?」といったのだった。
高橋君は、急いで立ち上がると、小さい手を振って、真剣に、「ありません」といった。
そのときのことを、校長先生が怒っているのだ、と、トットちゃんには、わかった。
校長先生の声は、怒ってる、というより、悲しそうな声に変わっていた。
「あなたには、高橋君が、あなたに、尻尾がある、といわれて、どんなに気がするだろうか、と考えてみたんですか?」
女の先生の、返事は聞こえなかった。
トットちゃんには、どうして、校長先生が、こんなに、この、しっぽのことで、怒るのか、わからない、と思った。
(もし、私が、先生から、しっぽがあるの?と聞かれたら、うれしくなっちゃうのにな)確かに、そうだった。
トットちゃんは、体には、何の障害もなかった。
だから、「しっぽがあるか?」と聞かれても、平気だった。
でも、高橋君は、背が、伸びない体質で、自分でも、もう、それを知っていた。
だから、校長先生は、運動会でも、高橋君が勝つような競技を考えたり、体の障害という羞恥心を無くすために、みんな海水着なしで、プールに一緒に入るように考えたり、とにかく、高橋君や、泰明ちゃんや、其の他、肉体的な障害のある子から、そのコンプレックスや、
「他の子より、劣ってる」という考えをとるために、出来るだけの事を、していたし、事実、みんな、コンプレックスを持っていなかった。
それなのに、いくら、可愛く見えたからといって、よりによって高橋君に、「しっぽがあるんじゃない?」
というような不用意な発言は、校長先生には、考えられないことだった。
これは偶然、朝の授業を、校長先生が、後ろで参観して、わかったことだった。
女の先生が、涙声で、こういうのが、トットちゃんに聞こえた。
「本当に、私が、間違ってました。高橋君に、なんて、あやまったら、いいんでしょう……」
校長先生はだまっていた。そのとき、トットちゃんは、ガラス戸で見えない校長先生に(逢いたい)と、思った。
わけは、わからないけど、好調先鋭は、本当に、私たちの、友達だと、いつもより、もっと強く感じたからだった。
大栄君も同じ考えだったに、違いなかった。
“圆中一点,圆中一点,
横横竖竖,圆中一点,
唰——,再画个大圆,三个半圆,
头发三根,头发三根,头发三根
一下子就变成了个老板娘!”
(书在这里附了一张很有意思的插图,一看就知道出自孩子的手,可惜没法敲出来啊,大家就动脑筋想象一下吧:)
就这样边唱边画。最后画出了一个老板娘的头像。在巴学园里,孩子们每天都可以从自己喜爱的功课开始学习,因此早就养成了良好的习惯,这个习惯就是:“如果在人声嘈杂的情况下自己就不能学习了,那是不行的。必须做到:不论周围环境如何吵闹,都能立即把精神集中起来!”所以孩子们这会儿对什么“圆中一点”的歌声毫不介意,甚至有的孩子还跟着一起唱了起来,可是大家的目光却仍旧集中在自己的书本上。
小豆豆看的是一本近似民间故事的书,主要情节是:有一个财主家的姑娘,因为爱放臭屁,总也找不到婆家,后来好不容易找到了一家。这个姑娘很高兴,结果在举行结婚典礼的那天晚上放了个比以往任何时候都响的屁,这股臭气把睡在床上的新郎吹得在屋子里飞着转了七圈半,然后就断气了。所谓书中的“有趣插图”,画的就是这个新郎被吹得在屋子里到处飞时的情景。后来这本故事就成了大家要抢着看的书了。
总之,在早晨从车窗射进来的阳光照耀下,全校学生根本不顾拥挤,正如饥似渴地看着书。这个场面,校长看在眼里肯定会非常高兴的。
结果,大家当天就在图书室里度过了整整一个白天。
而且从那以后,每逢下雨天不能到外边去的时候,或者在其他的一些情况下,这个图书室就变成了大家集会的场所。
后来有一天,校长对大家说:
“过几天得在图书室附近修个厕所啦!”
这是为什么呢?因为校长看到孩子们看书时都把大小便憋到最大限度,等到往礼堂对面那个则所跑去的时候,每个人的那副样子都够瞧的啦!这是发生在今天下午的事,放学后,小豆豆正准备回家,大荣同学跑过来悄声对她说:
“校长生气了!”
“在哪儿?”
小豆豆问道。因为她还从来没看到过校长生气,所以感到非常惊讶。大荣同学由于跑得很急,再加上似乎有点紧张,那两只可爱的小眼睛鼓得溜圆,停了一会儿才翘着鼻子说:
“在校长家的厨房里。”
“走,去看看!”
小豆豆拉着大荣同学的手。立即向校长家厨房跑去。校长家紧挨礼堂旁边,厨房离学校的后门很近,那次小豆豆掉进厕所后面的掏粪池时,就是从这个厨房进去在洗澡间里给她洗得干干净净的。吃午饭时,那些“海里的”和“山里的”菜也是在这个厨房里做出来的。
他们两人轻手轻脚地走到厨房跟前,从关闭的门里传来了校长那好象确实发火的声音。只听那声音说:
“您怎么能那样随随便便地说高桥同学‘有尾巴’呢?”
接着又传来小豆豆那班女班主任老师对这发火声音的回答:
“我当时并没有想那么多,只是正好看到了高桥同学,觉得他很可爱,因此才讲了那句话。”
“当时那句话意味着什么,您难道还不理解吗?我在高桥同学身上花了多大精力,您难道就一点不知道吗?”
小豆豆这时才想起了今天早晨上课时的事。今天早晨这位班主任老师给同学们讲了一个故事:
“在很早以前,人是有尾巴的。”
这是个非常有趣的故事,所以大家都很喜欢听。用大人的话来说,这就等于介绍进化论的入门知识,总之是件非常新奇的事。特别是老师还说到:
“所以,直到如今,人们身上还残留着一个叫做尾骨的东西。”当听到这句话时,小豆豆和大伙就你问我,我问你地找起尾骨在哪儿来了,教室里热闹得简直象开了锅似的,整个故事讲到最后时,那位女老师又开玩笑地说道:
“现在是不是还有留着尾巴的人哪?高桥同学恐怕就有吧?”
高桥赶紧站起来,摆着小手认真的说:
“没有,没有!”
想到这里小豆豆明白了,原来校长是为这件事生气。
这时校长的声音听上去不是在发火,而是变得很伤心了:
“您考虑过吗?高桥同学听您说他有尾巴时,他是什么心情吗?”
这回听不到女老师的答话了。小豆豆心里真不明白,为什么校长对尾巴这件事如此大动肝火呢?她想:假如老师问我:“有尾巴吗?”我可是会高兴得不得了哪!
的确如此,小豆豆身上没有一点毛病。所以即使被人问道:“你有尾巴吗?”她也毫不在乎。然而高桥同学就不同了,他的个头不会再长高,这一点他本人早就知道了。所以校长在运动会上安排的比赛项目都便于高桥同学取得第一名,目的就是为了消除他那因身体残废而产生的害羞心理;此外校长还采取了一些尽可能的措施,比如让孩子们不穿游泳衣一起跳入游泳池,其目的也全是为了使高桥同学呀,泰明同学呀,以及其他身体上有残疾的孩子们能消除自卑感和“自己不如别人”的心理。由于校长的这一番苦心,那些生理缺陷的孩子事实上都没有了自卑感。尽管如此,再怎么借口瞧着他可爱,就单单对高桥同学说:“你恐怕就有尾巴吧!”这种说法也是不慎重的,对此校长是无论如何也不能容忍的。而事又凑巧,上午校长刚好坐在后面观摩了这节课,因此才发现的。
小豆豆又听到女老师含泪这样说道:
“确实是我错了,该怎么给高桥同学道歉呢?……”
校长沉默了。小豆豆站在玻璃窗下什么也看不见,但她当时很想看看校长。不知什么缘故,她只觉得心里有一个念头比以往更加强烈了,那就是“校长的确是我们的朋友啊!”大荣同学此时肯定也会有同样想法的吧!
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