みんなの、立っている場所は、九品仏の池にまわりでも、特に静かなところにあり、木が池に影を落としているという、感じのいいところだった。校長先生は、すでに、スコップとか、くわ、とか、そのほか、畠に必要な道具をしまっておく物置にするために、普通の一台の半分の電車を、運んで来てあった。
半分の電車は、小さい畠になる予定の土地の、丁度真ん中に、こぢんまりと、静かにおいてあった。
電車の中から、スコップとか、くわを運び出すように生徒に言うと、畠の先生は、まず草むしりから始めた。先生は雑草について話した。「雑草が、どんなに丈夫なものか」という事や、「雑草によっては、作物より、伸びるのが、早いのがあって、おかげで作物に日が当たらなくなってしまう」とか、「雑草は、悪い虫の、いい、隠れ場所だ」とか、「雑草は、土から栄養を取ってしまうから困るのだ」とか、もう次から次と、教えてくれた。
しかも、話しながら、手は休むことなく雑草を、ひきぬいた。みんなも同じようにやった。それから先生は、くわで耕すこと、うねを作ること、大根などの、種のまき方、肥料のやり方など、畠に必要なことを、実際に、やって見せてくれながら説明した。
途中で、小さい蛇が頭を出して、上級生のタアーちゃんが、もう少しで手を噛まれそうになったりもしたけど、畠の先生は、「このあたりの蛇は毒もないし、こっちが、何かしなければ、あっちから噛み付いてくることもないのだから」と安心させてくれたりもした。
とにかく、畠の先生は、畠の作り方だけじゃなく、虫のこと、鳥のこと、蝶々のこと、天気のこと、もう、いろんなことを、面白く話してくれた。
節くれだった先生の丈夫な手が、そういう話は、どれもこれも、畠の先生が体験し、自分で発見したのだ、ということを証明しているようだった。
みんなは、汗びっしょりで、先生に手をとってもらって、ついに畠は完成した。
どこから見ても……少しグニャぐにゃのうねはあったけど……完璧な畠だった。
この日以来、トモエの生徒は、その、おじさんに逢うと、「畠の先生!」
と、遠くからでも、尊敬をこめて、叫んだ。
畠の先生は、自分の畠に余った肥料を、学校の畠に、少しまいといてくれることもあった。
みんなの畠は、順調に成長した。
毎日、誰かが、見回りに出かけては、校長先生やみんなに、畠の様子を報告した。
「自分のまいた種から、芽が出る」ということが、どんなに不思議であり、驚きであり、そして、喜びであるかを、子供たちは、知った。
みんな、何人か集まると、畠の成長について、話し合った。
大家脚下这块地方是九品佛池塘周围最幽静的一个场所,池中映着树木的倒影,简直令人身心陶醉。
为了有一个放铲子、锄头等一般农具的库房,校长实现就已经运来了一辆比普通电车小一半的电车。这辆半大的电车静静地躺在预定的那小块田地的正中,显得小巧而别致。
农民老师叫学生们从电车里把锄头、铲子拿出来,然后就从第一项拔草开始了。
农民老师给大家介绍了有关消灭杂草的知识,诸如“杂草怎样顽固”呀,“杂草种类不同,有的比庄稼长得还快,所以把庄稼的阳光给遮住了”呀,还有什么“杂草是害虫最好的防空洞”呀,什么“杂草会把养分从土壤里吸光,所以庄稼就长不成”等等,一样一样地都教给了大家。而且边讲边不停地用手把杂草拔掉。大家也都跟着样子去做。接下来,这位老师便一面实地操作给大家看,一面讲解种田必需的知识。其中有用锄头锄地、打拢、萝卜种的做法,以及怎样施肥等等。
中途还发生了一件事,有一条小蛇探出头来,差一点咬住了上年级那位阿泰同学的手指头。但农民老师却安慰他说:
“这一带的蛇没有毒,只要你不去惹它,它是不会主动咬你的。”
总之,农民老师不仅教大家种田,而且还趣味横生地讲了有关虫呀,鸟呀,蝴蝶呀,气候呀等各方面的知识。他那双粗壮厚实的大手仿佛在向人们证明,所有讲给孩子们的知识,都是他亲身体验、亲身发现的。孩子们都出了一身透汗,在这位农民老师手把手的指导下,终于干完了田里的活儿。尽管那些田垅还显得有点松松垮垮,但无论从哪个方向望去,呈现在眼前的毕竟可算是一块管理的完美无缺的农田了。
打从这天起,巴学园的学生每逢再遇到这位农民伯伯,老远老远就满怀敬意地大声打着招呼:
“农民老师——”
农民老师有时也把自家地里多余的一点肥料撒到学校的田里去。同学们的农作物长得很顺利。每天都有人到田里去查看一遭,而且每次回来都把观察到的情况报告给校长和同学们。孩子们现在知道了:“自己撒下的种子将会生根发芽”,这该是多么奇妙、多么以外、又多么令人高兴的事啊!大家只要有几个人凑到一块,马上就会谈起田里作物的生长情况。
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